コラム
あなたの窓の防犯は大丈夫?泥棒が窓ガラスを割る3つの方法を公開!
ガラス修理の専門家が丁寧に教えます!
こんにちは。みんなのガラス屋さんの柳田です!
突然ですが皆さんは、ご自宅の防犯をどのくらいしているでしょうか?
「家の防犯対策?」
「ウチは玄関ドアに二重ロックかけてるから、その点は完璧だよ!」
と、安心しきっている方ほど気にしてほしいのが…「窓」の防犯です。
防犯といえば玄関の施錠に目が行きがち。
ですが実は… 空き巣が入ってくるのは、ほとんどが(約7割)窓からなんです!
つまり、防犯を考える上では、まず窓ガラスを守ることが最優先。
問題は、どうやって窓ガラスを守るのか。
逆に言えば、空き巣が「どうやってガラスを割っているか」ということです。
金属バットで強引に「ガッシャーン!」…と割る、いうのを想像した方も多いはず。
ですが実際は、もっと巧妙な手段で、全く音がしない方法もあるんです。
というわけで今回は、次の2つについてご紹介していこうと思います!
- ズバリ、空き巣はどうやって窓を割るのか?
- 空き巣から家を守る方法
「新築を建てようと思っているけど、窓の防犯ってどうしたらいいのかわからない…」
「空き巣に入られてしまった…。二度と被害にあわないために対策したい!」
いずれの方も、大切な窓を守るために、まずは敵を知ることから始めましょう!
空き巣が窓ガラスを割る3つの方法って?
未然に防ぎたい、空き巣が窓ガラスを割る方法とは以下の3つです。
- 三角割り(こじ破り)
- 打ち破り
- 焼き破り
ひとつずつ見ていきましょう!
三角割り(こじ破り)
日本の空き巣に特化した手法かつ、最も被害が多い手法が、この「三角割り」と呼ばれる割り方です。
この方法では、マイナスドライバーを使用します。
まずは窓の枠とガラスの間を狙って一撃!
するとどうでしょう。こちらの実験動画を見る限り、何も対策されていないガラスだと一撃でヒビが入ってしまうのがお分かりいただけると思います。
続いて2回、3回と同じようにガラスと枠の間にドライバーを突きつけていくと、合計3~4回で脆くもガラスが割れてしまっています…!
なんと、この方法を使うと一般的なガラスなら30秒程度で割れてしまうといわれています。
さらに驚くべき点は、大きな音がしないというところ。
ガラスを正面から叩くのではなく、サッシとガラスの隙間を狙うことによって素早く、そして音もなくガラスを割って侵入することが可能なのです。
打ち破り
次に紹介するのは、「打ち破り」という方法です。
こちらの割り方は、最も大胆で原始的!
バールとよばれる工具(釘抜き)でガラスを思い切り叩くシンプルな方法です。
一般的な一枚ガラス(フロートガラス)なら、ほぼ一発の打撃で粉々に…!
ガラスを割るスピードはピカイチの手法です。
ただし、割れる時に大げさな音がするので住宅街の昼間などにこの方法で侵入しようとすることはないでしょう。
しかし、線路沿いだったり、雑音の多いような場所ではもしかしたら割れる音にも気が付かないかもしれません。
とにかく時間のかからない方法なので、音に気がついて誰かが来る前に侵入してしまおうという強行的な方法だと言えるでしょう。
焼き破り
最後にご紹介するのが「焼き破り」という手口です。
ガラスを熱することによって割る方法になりますが、実験動画でお分かりの通り、ガラスにバーナを当てるだけです。
これで、普通のフロートガラスですと10秒ほどで簡単に割れてしまいます。
また、バーナーが無くてもターボライターなどでもできるため、泥棒がポケットにライターを忍ばせておけば簡単に使える方法です。
さらに、割れる時は「パキッ」という音だけで大げさな音はしません。
きちんとした耐貫通制精度が高いガラスでなければ、侵入までに30秒とかからないでしょう。
防犯対策に最適な窓ガラスってどんなもの?
いかがでしょうか。
以上をふまえてみると、想像していたよりも窓を割るのが簡単に思えてきませんか…?
窓ガラスは本来、自然の雨風から家内を守るもの。
人が故意に割ろうとすれば、一般のフロートガラスはおろか、強化ガラスも難なく突破されてしまいます。
では、どんな窓ガラスが防犯対策にふさわしいのでしょうか?
強化ガラス/網入りガラス/複層ガラスには、防犯性能がない!?
よく勘違いされる方が多いのですが、強化ガラスや網入りガラスは防犯ガラスではありません。
「防犯ガラスを使っているのに、割られてしまって…。」というお客様の元へ向かってみると、網入りガラスを防犯ガラスと勘違いしていた、なんてことも結構あります…!
「我が家は大丈夫だろう」という思い込みが一番危険です。
あなたのお家の窓は大丈夫か、一緒に確認していきましょう!
強化ガラス
スマートフォンの保護シートなどでよく目にするであろう、強化ガラス。
「強化」といわれるだけあって、強度は同じ厚みの一般フロートガラスに比べて3倍ほど。
ですが、バールなど先の尖った道具で衝撃を与えるといとも簡単に割れてしまいます。
というのも、そもそも強化ガラスは「防犯性」ではなく「安全性」を重視したガラスだからです。
フロートガラスの3倍ほどの強度があれば、誤ってぶつかったくらいでは割れにくい。
さらに万が一割ってしまっても、鋭く尖らず粒状に砕けるため、大きなケガを防ぐことができます。
その特徴から、別名「安全ガラス」ともよばれ、小さいお子さんがいるご家庭や、学校などで使われることが多いんですよ。
網入りガラス
こちらも勘違いするお客様が多い「網入りガラス」。
実は防犯ガラスではなく、防火ガラス(火事のときに飛散しにくい)なんです。
熱で割れても飛散しないので、バーナーで加熱して割る「焼き破り」への耐性はあります。
ただ、衝撃にはめっぽう弱いガラスです。
「ワイヤーが入ってるし、なんだか強そう」とお思いの方も多いのですが、強度は一般フロートガラスと大差ありません。
そして、こちらのガラスの恐ろしい点は、叩いて割ってもあまり音がしないこと。
よって、打ち破りを狙う泥棒にとっては好都合になりかねません…!
熱割れ*を起こしやすく、飛散防止フィルムの使用もできないため、防犯を意識するなら交換を検討しても良いのではないかと思います。
※お住まいの地域が「防火地域」「準防火地域」の場合は、法律で網入りガラスの使用を定められている可能性があります。交換を検討するときはよく確認してくださいね。
*「熱割れ」とは?
「熱割れ」とは、部屋の中と外の温度差によってガラスにヒビなどが入ってしまうこと。
ガラスのコップに熱湯を入れたら割れてしまう、というのは誰しも想像がつきますよね。それと一緒です。
ガラスの内外で温度差が生じると、熱い方の表面は熱によって伸びるのに対し、冷たい方の面は変わらないため、ガラスに負荷がかかり割れてしまうんです。
特に、寒暖差が大きい冬は注意が必要です。
複層ガラス(ペアガラス)
遮音性、断熱性が高いことから、最近では多くの住宅に起用されている複層ガラス。
…ですが、こちらも防犯性能にいたってはゼロに近いです。
構造としては、通常のフロートガラスが空気を挟んで2枚になっているだけ。
割る手間は2倍かかりますが、先ほどの動画にもあったようにフロートガラス自体がとても割れやすいため、ほとんど時間はかからないでしょう。
さらに、こちらも熱割れを起こしやすいガラスなので、取り扱いには注意が必要です。
※ただ、複層ガラスの中には、2枚のうち1枚が防犯ガラスになっているなど防犯対策を兼ねているものもございます!
逆にそのような言及がされていなければ、上記のような一般の複層ガラスとみていいでしょう。
「防犯ガラス」の性能とは?
「じゃあ、一体どんなガラスなら割れないの…!?」
残念ながら、「どんなことをしても100%ヒビが入らない!」というガラスは存在しません。
防犯において大事な性能というのは、「割れても貫通しないこと」なんです。
防犯ガラスとは、合わせガラスの一種で、ガラスの間に特殊フィルムが挟まっているガラスのこと。
樹脂でできたフィルムがしっかりとガラスにくっついているので、ヒビが入っても窓の形を保ち続けます。(映画でよくある、銃弾を受けても割れない車のフロントガラスと同じ構造です!)
泥棒目線になって考えると、一番恐れるべきは、誰かにバレないかということ。
誰かに見られたら一発で不審だと思われる状態で、侵入に長らく時間がかかってしまうのは避けたいですよね…!
警察庁のデータでは、泥棒は「侵入に5分以上かかると犯行をあきらめる」と言われています。
窓の防犯で大事なのは、「侵入に時間をかけさせる」ことなんですね!
具体的には、どんなガラスがおすすめ?
防犯ガラスを選ぶときは、以下のCPマークがついた防犯ガラスを選ぶことをおすすめします!
CPマークとは?(出典:警察庁 住まいる防犯110番)
建物への侵入を5分以上防ぐことができるかの試験をクリアした商品だけに使用される、安心・安全のシンボルマーク。
※CP=Crime Prevention(防犯)
もちろん、「このマークがついているものは必ず侵入を防げる!」ということではありません。
ですが、試験に通過した実力があるのはもちろん、「CPマークがついている」というだけでも犯罪抑止効果が期待できます。
私たちが取り扱っている「CPマーク」認定の防犯ガラスのおすすめは、旭硝子さんの「SECU-RE(セキュレ)」です。
その頑丈さはもちろんのこと、注目すべきは「盗難お見舞金制度」というシステム。
もしセキュレが空き巣に破られ、盗難被害が発生したら、お見舞金が支払われる制度です。
「え、最初から破られることが前提なの…?」
と、思うかもしれませんが… この制度、私たちの10年以上の施行実績で、実際にお使いになられたお客様はいないんです。
つまり、侵入されない自信があるからこその保証つき。
そんな防犯ガラス「セキュレ」について詳しく知りたい方は、ぜひこちらもチェックしてくださいね!
▶一般家庭用の高強度防犯ガラスのご紹介 - みんなのガラス屋さん(別窓で開きます)
また、当社ではこちらのガラス以外にも、特殊なガラスを多数揃えて各地を回っております。
「防音性が高い窓ガラスってどんなの?」
「夏も冬も気温が保ちやすい、断熱性のある窓ガラスに変えたい!」
「予算はこれくらいなんだけど、どのガラスがおすすめ?」
などなど、ご相談がございましたらぜひお気軽にお申し付けくださいね!
▶私たちに相談した場合の流れについてはこちらもご覧ください。
窓を変える以外に意識すべき防犯方法って?
最後に、窓を交換する以外にも合わせて意識したい防犯対策についてお話します。
窓の防犯で重要なのは、とにかく侵入時間を稼ぐこと。
ですから、防犯対策も複合的に行うのが効果的なんですよ。
1度泥棒の気持ちになって、「どんな窓だったら諦めるかな?」という視点で、対策を考えてみましょう。
ガラス飛散防止フィルム(シート)
自分で手軽にできる防犯対策といえば、まずは飛散防止フィルムです。
こちらはあくまでも「ガラス飛散防止」なので、完璧な防犯対策とはいきませんが、「貫通しない」性能を高めてくれます。
「防犯フィルム」として鍵の付近に貼る頑丈なフィルムもありますが、鍵付近のみフィルムはもちろん貼った場所しか守られません。
泥棒からしても「フィルム以外の場所なら簡単に突破できる」と思われかねませんので、全面に貼れるタイプのものを使用しましょう。
※フィルムは、熱割れしやすいガラス(網入りガラス/複層ガラス)には使用できませんので、くれぐれも注意してくださいね!
補助錠
窓についている三日月のような鍵、「クレセント錠」。
名前には「錠」とついていますが、皆さんご存知のようにとても簡単に開閉できますよね。
手さえ入ってしまえば、クルッと回して難なく解錠できるのは誰しも想像がつくはず。
そこで、設置しておきたいのが「補助錠」です。
警察防犯協会が推薦しているのが、こちらの「ワンタッチシマリ」。
窓のサッシ部分にペタッと貼り付けるだけで、補助錠の役割を果たしてくれます。
防犯ブザーやセンサー付きライト
泥棒は、「音」と「光」を嫌います。
よって、窓が開いたときに鳴る防犯ブザーや、人感センサーで明かりがつくライトなども効果的です。
このように「防犯意識が高い家に見せる」というのも、立派な対策の1つなんです。
ただし!「防犯意識が高いということは、金目のものがあるんだろう」と考えられるケースもありますので、窓自体の対策も忘れないようにしてくださいね!
ダミーステッカーの使用はNGです!
防犯対策として、「セコムやアルソックのダミーステッカーを貼るといい」という意見もたまに耳にします。
ダミーのステッカーは商標の無断使用として法律で罰せられる可能性がございますので、くれぐれもご注意ください!
まとめ
今回は、空き巣が窓を割る方法をふまえた防犯対策についてお伝えしました。
最後に、この記事のポイントをおさらいしましょう。
- 空き巣が窓ガラスを割る方法は、三角割り、打ち破り、焼き破りの3つが主で、音を立てずに割る方法もある。
- 強化ガラスや網入りガラス、複層ガラスは、防犯ガラスではないので注意!
- 窓を守るためには、窓を防犯ガラスにすること+防犯フィルムや補助錠などの対策を合わせてするのが効果的!
玄関の施錠に目が行きがちな防犯対策。
以上をふまえて、あなたの暮らしがより安心・安全になることを願っております。
みんなのガラス屋さんは、「丁寧に、かつ速やかに」をポリシーとするガラス屋です。
ガラス選びにお困りの際などは、どんな小さな質問でも気軽にご相談くださいね!
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