コラム
賃貸住宅で窓ガラスが割れた!原因と対処方法、修理費用は誰が払う?
ガラス修理の専門家が丁寧に教えます!
「突然アパートの窓ガラスが割れた!…のに、修理代の支払いは自己負担?」
「そもそも、窓ガラスが勝手に割れることってあるの?」
こんにちは。みんなのガラス屋さんの下村です!
賃貸アパート・マンションの修理って、結構デリケートな問題ですよね。
お風呂の換気扇が回らなくなったり、給湯器が壊れたり…。
日常的にあまり使うものでなければ「放っておいてもいいか…」と思ってしまうのが正直なところ。
ですが、窓ガラスが割れたとなればそうはいきません。
完全に割れてしまった場合はもちろんのこと…ヒビが入っている窓は、ちょっとした衝撃で割れてしまうので、空き巣の狙い目になります。
もしガラス割れの原因があなたになかったとしても、「空き巣に入られた!」なんてことがあったら、その責任はガラス割れを放置したあなたに課せられるかもしれません…!
そうならないために、今回は「賃貸住宅の窓ガラス修理」をテーマに、あなたが今すべきこと確認していきましょう。
賃貸で窓ガラスが割れたときの責任の所在は?
賃貸で窓ガラスが割れたときの責任の所在は、「窓ガラスが割れた理由」によって変わります。
その基準は、「故意・過失によって割れたかどうか?」ということです。
では、具体的にはどんなケースが自己負担にあたるのか見ていきましょう。
自己負担になるケース
あなたが修理費を負担しなくてはいけないケースは、「故意・過失による破損」のみ。
たとえば、次のようなケースは自己負担となります。
「自分の子どもが遊んでいて、窓ガラスを割ってしまった!」
「うっかり家具をぶつけてしまった!」
「高いところに物を置いていたら、ふとした瞬間に落ちてきて割れた!」
このようなケースであれば、自分でやってしまった覚えがあるはず…。
割れ方もわかりやすいので、正直に申し出るのが吉です。
ただ、こういった「うっかり」が起こす事故にも、火災保険が適用できる場合があります。
(火災保険の「不測かつ突発的な事故」に含まれる)
私たち「みんなのガラス屋さん」では、保険申請に必要な各種書類のご準備もしっかり行います。お困りの際はご相談くださいね。
私たちにご相談いただいた場合の修理の流れは、こちらもご覧ください。
貸主(大家)負担になるケース
貸主(大家)が負担しなくてはならないのは、入居者に過失がない場合。
具体的には、以下のようなパターンがあります。
(↑クリックで該当部分にジャンプします)
外からボールが飛んできた
「外で子どもが遊んでいて、ボールが入ってきた!」なんて漫画の世界のようですが、実際にこのようなケースもよくご相談を受けます。
この場合は室内にボールが入り込んでいることも多いので、わかりやすいですね。
空き巣・盗難
空き巣・盗難で窓を割られたというのも、とても恐ろしいですが実際にあるケース。
何度も窓を叩いた形跡があったり、鍵の部分を狙って割られている場合は、空き巣・盗難を疑って慎重に動きましょう。
まずは、速やかに大家さんまたは管理会社に連絡すること。また、110番への連絡も忘れずに。
盗難保険を申請するために、盗難届証明書または受理番号を交付する必要があります。
また、窓ガラスの修理は大家さん負担となりますが、盗難被害にあったものは自己負担となります。
火災保険(家財補償)による補償が受けられますので、確認しましょう。
台風などの自然災害
台風や地震で窓ガラスが割れたときは、基本的に大家さん負担での修理となります。
ただし、台風が来たのに窓や網戸を閉めていなかったなど、「入居者の過失」にあたるときは自己負担になるケースもあります。
また、「台風で窓ガラスが割れて、吹き込んだ雨でテレビが壊れた!」など、家具が壊れた場合は自己負担となります。
ただその場合、台風などの自然災害であれば家財保険が使えますので、契約内容を確認してみましょう。
経年劣化などで勝手に窓ガラスが割れた
以上のどれにも当てはまらないという方は、「勝手にガラスが割れた」可能性がとても高いです。
「えっ、そんなことってありえるの…?」と疑問に思う方もいらっしゃるかと思います。
次で詳しく見ていきましょう。
勝手にガラスが割れることってあるの?
「そもそも、傷がない窓ガラスが突然割れることはあるの?」ということですが…これ、実はよくあることなんです。
窓ガラスが自然に割れるケースとしては大きく次の2つが考えられます。
- 熱割れ
- 錆割れ
「熱割れ」とは?
「熱割れ」とは、部屋の中と外の温度差によってガラスにヒビなどが入ってしまうこと。
ガラスのコップに熱湯を入れたら割れてしまう、というのは誰しも想像がつきますよね。それと一緒です。
ガラスの内外で温度差が生じると、熱い方の表面は熱によって伸びるのに対し、冷たい方の面は変わらないため、ガラスに負荷がかかり割れてしまうんです。
特に、寒暖差が大きい冬は注意が必要です。
また具体的には、以下の2種類のガラスは熱割れを起こしやすいので注意しましょう!
↑網入りガラス・・・金属が入っているため、ガラス内の温度が上がりやすい
↑複層ガラス(ペアガラス)・・・「熱を通しにくい」という特性上、温度差が起こりやすい
熱割れの特徴
- 何かがぶつかった形跡はなく、スーッときれいにヒビが入っている
- ガラスの端から湾曲した長いヒビが1本〜複数本入っている
窓ガラスが熱割れしてた😐 pic.twitter.com/jXavsFx5sG
— ランディ (@Randy_Flying_V) January 30, 2023
↑こちらは完全に、網入りガラスの熱割れです。
何か物がぶつかって割れた場合は、次のように1点を中心に放射状にヒビが広がりますから、違いは明白ですね。
物がぶつかったか、熱割れを起こしているのかは、ガラス屋が見れば一目で判断できます。
「自分では、熱割れなのか判断できない…」
「自分は熱割れだと思うけれど、大家さんは違うと言っている」
などがございましたら、大家さんと私たちと、両者立ち会いのもと見積もりを取られると良いですよ!
熱割れの原因
- 直射日光や、暖房、室外機などの熱が直で当たりやすい場所に窓ガラスがある
- 網入りガラス、複層ガラスに、保護フィルムを貼っている(これらのガラスにフィルムの使用は基本的にNGです)
- 窓の近くに物を置いている
- 黒色のカーテンをずっと閉め切ったままにしている
普段ソファの後ろで隠れてて見えない位置の窓ガラスが熱割れしててめっちゃビビった
— くろろふ(雑食) (@momigi_c) June 6, 2019
↑「物を置いていたら気づかないうちに…」という方が意外と多いんです。
その他、日頃から意識できる熱割れ予防は「換気する」こと。
結露や、熱がたまるのを防ぐことができますよ。
「錆割れ」とは?
勝手に窓ガラスが割れる原因のもう一つは、「錆割れ」という現象です。
熱割れに似ている割れ方で、こちらも網入りガラスで起きる現象です。
サビている部分からパキッと亀裂がのびていたら、錆割れと判断していいでしょう。
網入りガラスに入っている鉄線は、火災が起きたときに、ガラス片がバラバラに散らばらないようにするためのものです。
しかし窓は雨水にあたりやすいため、鉄線が経年劣化によって錆びてしまうことがあります。
錆びてしまった鉄線はガラスの中で膨張し、それに耐えられなくなったガラスが割れる、というのが錆割れの原因です。
網入りガラスは割れやすい?
こうして見てみると、「網入りガラス」は自然に割れやすいガラスであるとも言えます。
直射日光にあたりやすい場所で、「何度もガラスにヒビが入っている」という方は、他のガラスへの交換を検討しても良いかもしれませんね。
ベランダに出る窓のガラスがまた熱割れしとる(笑)(笑)(笑)去年変えたやろが(笑)(笑)(笑)
— ぴよよ (@piyomatsutake) June 20, 2019
ただし、防火地域や準防火地域にお住まいの方は、建築基準法で網入りガラスを使うことが定められている場合もあります。
交換を考える際には、しっかり確認するようにしましょう!
熱割れ・錆割れなら、不可抗力で割れたことをアピールしよう
このようなケースで突然窓ガラスが割れた場合、基本的に入居者側に責任はありません。
その他の設備の経年劣化と同じような位置づけで考えることができるため、大家さんが修理をする義務があります(民法606条/賃貸人の修繕義務)。
多くの不動産会社の場合、特に網入りガラスを使用している場合などは、熱割れが起こりやすいことを知っている場合も多く、こちらに不備がないことをしっかり伝えれば、修理費を負担してくれるところがほとんどです。
逆に言えば、こちらから責任を問うことができないと、「あわよくば入居者負担で修理してもらおう」と考える方もなかにはいらっしゃいますので注意しましょう。
【Q&A】賃貸の窓ガラスに関して、よくある疑問まとめ
最後に、賃貸の窓ガラス修理についてよくある質問をまとめました!
窓ガラスの熱割れ…これって放置しとくとまずい?
熱割れは、できるだけ早く修理するのが吉です!
「ひび割れくらいなら緊急じゃないし、そのうち直せばいっか…」
使う分に支障がなければ、そう考えてしまうのもわかります。
ですが賃貸物件を借りている以上、あなたには「不具合がおきたら貸主に報告する義務」があります。
熱割れ自体の修理費は大家さん負担。
ですが、割れをそのままにしておいて空き巣に入られたなどがあれば、熱割れを放置した入居者の過失とも言われかねません。
このような被害を防ぐためにも、熱割れを起こしたらできるだけ早く修理するのが良いでしょう。
窓ガラス交換って、どれくらい費用がかかるの?
ガラス1枚あたりの費用目安は1〜2万円ほどです。
ガラスの値段は、枚数・大きさ・ガラスの種類によっても変わりますので、一概に「○○円」というのは難しいところ。
ただ、賃貸アパートで使われるような一般的なガラス(フロートガラス)でしたら、費用はおさえめ(1〜2万円)で施工できるかと思います。
やはり確実なのは、実際に複数社からお見積りを取ってみること。
その上で、「この会社なら安心して任せられる!」というところにお願いするのが良いでしょう。
当社では、割れたガラスの掃除・処分も一括で行っています。 お困りの際は、ぜひ私たち「みんなのガラス屋さん」も候補にいれてくださいね。
マンションのエントランスの窓ガラス割れの責任の所在は?
マンションのエントランスの窓ガラスは「共有部分」となるため、基本的には大家さん負担での修理となります。
「ずっとエントランスの窓ガラスが割れている…」という場合は、「いつ頃なおりますか?」と連絡を入れるのも正当な要求です。
窓ガラスが割れているというのは、思っているよりも危険な状況ですからね…!!
ただしこの場合も、「故意・過失」の場合は自己負担です。
「うっかり、共有部分の窓ガラスを割ってしまった!」などということがあれば、大家さんまたは管理会社に連絡を入れた上で修理を行いましょう。
大家さんが窓ガラスを修理してくれない…どうしたらいいの?
民法608、611条より、この場合に入居者がとれる行動は以下の2つです。
- 自身でガラス修理を依頼し、費用を請求すること(領収書の発行をお忘れなく!)
- 家賃の支払いを一部拒絶すること
第608条
賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる。
第611条
賃借物の一部が賃借人の過失によらないで滅失したときは,賃借人は,その滅失した部分の割合に応じて,賃料の減額を請求することができる。
ただし、ここで一度考えるべきは「修理をしないと本来の役割を果たせないほどの損傷なのか?」ということ。
たとえば、二分割するほどの大きなヒビが入っている場合、少しの衝撃で窓が外れてしまうことも考えられますので、即交換してもらう必要がありますよね。
ですが、ガラスの端のほうが少しだけかけている状態なら、「経過をみてから…」という判断をされることもあります。
まとめ
今回は、賃貸住宅の窓ガラス修理について、その責任はどこにあるのかを中心に解説しました。
最後に、この記事のポイントをおさらいしましょう。
- 賃貸住宅での窓ガラス修理は、「故意・過失によって破損したかどうか」で責任の所在が決まる
- 自然に窓ガラスが割れる原因は、「熱割れ」か「錆割れ」である
- 入居者の過失でない場合は、不可抗力であることをしっかり伝えれば賃貸人の責任で修理ができる
- 熱割れかどうか判断できなかったり、熱割れではないと言われる場合は、大家・ガラス屋が両者立会いのもと見積もりを取るのが◎
ガラスの修理にかかる費用は誰にとっても痛い出費ですが、窓が割れたままにしておくと更なるトラブルを引き起こす可能性もあります。
小さなヒビから大きな問題に発展する前に、窓ガラスの不具合を見つけたらすぐに大家さんに報告しましょう!
そして、ガラス交換はガラスの専門業者へ。
みんなのガラス屋さんは、丁寧に、かつ速やかに窓の交換・修理を行っているガラス屋さんです。
賃貸の窓ガラスについてお悩みでしたら、どんな小さな質問でも構いませんので、お気軽にご相談くださいね。
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